21C:マドモアゼル モーツァルト 21C:マドモアゼル モーツァルト

AWARD HISTORY

  • 2006.4

    第31回菊田一夫演劇賞

21C:マドモアゼル モーツァルト

INTRODUCTION

同じ原作から生まれた、もうひとつの
「マドモアゼル・モーツァルト」

2005年初演。音楽座ミュージカル再始動の作品として、「マドモアゼル・モーツァルト」のアナザーストーリーに戦争で始まった21世紀へのメッセージを込めた。モーツァルトの死後、19世紀のウィーンでひっそりと晩年を過ごすサリエリが死を迎える場面から、物語は21世紀に戦場で暮らす少女と18世紀のザルツブルグで生まれた少女・エリーザ(モーツァルト)の間で、重なり合い響きあいながら展開していく。モーツァルト作曲の「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」をはじめオペラの名曲などで綴られた新世紀の黙示録的な作品である。

STORY

19世紀のウィーンでひっそりと晩年を過ごしていたアントニオ・サリエリに死期が迫っていた。モーツァルト毒殺という巷間の噂にも反論せず、サリエリは秘密を守るために沈黙を貫いてきたのである。モーツァルトが亡くなった日と同じ満月の夜、朦朧とする意識の中に響いてくる「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」のメロディ。なぜ神は女であるおまえにあふれる才能を与え、その音楽を理解し、恋する心を私に与えたのか?死の直前に明瞭な意識を取り戻したサリエリは、長年大切にしてきた古い譜面を見つめながら、自らの人生の意味を考えていた。その時突然、サリエリの眼前に瓦礫の中にうずくまるひとりの少女の姿浮かび上がる。手にした古い譜面をとり落としてしまうサリエリ。すると、その譜面が輝きはじめ無数の青い蝶が少女に向かって飛びたった。

MOVIE

VOICE

  • 僕はまず「あの有名なモーツワルトが女性だったら」というおもしいかつ新しい奇ばつな物語の内容にひかれました。実際の歴史とはちがいますが、このミュージカルを見ているとなぜか、本当の歴史なのではないかと思わせるほどすばらしいミュージカルだった。特に今回は「21C:Mademoiselle Mozart」ということで、戦争のことなど新しいエッセンスが入っていて自分は一番前でよかったと思えました。僕は今まで、かぶきや落語は見てきましたが、これを期にミュージカルなどの分野にも興味がわいていました。(中学1年男子)
  • きのうのミュージカルでは、最初の戦争のシーンが心に残りました。世界では毎日、あんな場面と直面する子供がいるのだと思うと、自分の環境がいかにすばらしいかよくわかりました。それと、モーツァルトが、「魔笛」をつくっている時に言っていた、「この歌を待っている人がいるんだ」というセリフには、自分の死の近さを知っていながらも、生と死の境目でも、「今できること」を精一杯やろうとするモーツァルトの素晴らしい人間性が感じられました。「今できること」を精一杯する、その大切さもこのミュージカルで、感じることができました。(中学1年男子)
  • 3年間、芸術鑑賞会を見てきましたが、今年の芸術鑑賞会が、一番心に残りました。私は、音楽会など、長時間静かにしていなければならないものは、必ず寝てしまいます。でも今回は、「次はどうなるのだろう」という気持ちでいっぱいで、全く眠りませんでした。世間で知られているモーツァルトが女だった、ということは、想像もしていませんでした。はじめは、「おもしろい話だな」程度で見ていましたが、最後のモーツァルトが魔笛を作り終えて息を苦しそうにしている場面では、周りの目などもうどうでもよくなり、鼻をすすりながら泣いていました。ミュージカルで、こんなにも感動するとは、思ってもいませんでした。(中学3年女子)

CREATIVE

原作:福山庸治『マドモアゼル・モーツァルト』 オリジナルプロダクション
総指揮:相川レイ子
脚本・演出:ワームホールプロジェクト
音楽:高田浩・八幡茂・井上ヨシマサ 振付:杏奈・畠山龍子
美術:朝倉 摂
衣裳:原 まさみ
音楽監督:高田 浩
歌唱指導:桑原英明
照明:塚本 悟
音響:小幡 亨
ヘアメイク:川村和枝 製作著作:ヒューマンデザイン ・・・ 舞台写真撮影:山之上雅信